9年前に人形作品集を発刊するにあたってタイトルを考えていたときに、英和辞典で眼についた「THE BLESSED ANGELS−祝福された天使たち」という言葉に惹かれてそれをタイトルにしました。
私が作り出すものは私の祈りと思いが形になったものだから、その人形たちは祝福されたものであって欲しいという願いをこめてつけたのでした。
それから何年かたってくると少し変化して、私の生み出す人形が愛と祈りを携えて人々の手の渡り、そのあたたかい思いをつたえる天使であってほしいと思うようになりました。
人形にのせてメッセージを送る私も、受け取るあなた方も皆、ひとり残らず祝福された存在なのです。それを思い出してほしいという思いを伝える言葉になりました。
私たちは皆、生命を、人生を祝福された存在であり、天使であろうとすれば誰でも天使でいられるのです。私たちのひとりひとりが誰かにとっての天使になれるのです。
ひとりひとりがメッセージを携えた天使であり、祝福を分け与えることができるのだと考えるようになりました。
祝福の光を自分の眼と唇に宿して生きられたら、おだやかな眼差しとやさしい言葉であたたかな思いを分かち合うことができると思います。一人ずつの胸にそうした思いが広がって、他を尊重し互いの違いを乗り越えて理解し、受け入れ、お互いを成り立たせるような生き方ができれば、ひいては平和な世界を創れる一歩になると信じています。
ひとつのタイトルが時間をかけて変化し、熟成し、波のように広がって伝わってほしいと思います。私の求めてやまないもの、そこに到達する始めの一歩が何気なくひろったこのタイトルに表現されてあったのでした。